他社リビルド品との性能比較~なぜネット上のリビルド品は「もたない」のか?
「リビルド品は、すぐ悪くなる」というイメージを持っておられる方が多いみたいです。
確かに、ネット上で格安で販売されているリビルド品は、数週間でダメになったりすることも良くあるみたいです。
では実際に、ネット上で買えるリビルド品が、当店のリビルド品とどう違うのか、今回は性能比較と考察をしてみました。
今回、当店に持ち込み修理をご依頼していただいたお客様に、特別に調査のご協力をしていただきました。
他社製のリビルド品の性能を、当店が行っている独自の診断方法でその性能を判断させていいただき、比較させていただきました。
まず、エラーが点灯している状態のものを用意し、性能診断をしていきます。(赤)
特徴としては、端っこの方は性能が高いですが、真ん中に向かって性能が落ちていることが分かります。
この状態を正常値に戻すのがリビルド作業です。
弊社のリビルド品は出来るだけフラットになるように性能をそろえることでバランスを整えています。(緑)
他社製のリビルド品はどうかというと、一見揃っているように見えますが、真ん中の方に性能が低いのが混ざっています。(黄色)
1本くらい悪いのが入っていても大丈夫なんじゃないの?という質問が飛んできそうですが、
結局、エラーが起こるものは「バランス」が大事になってきますので、一本でも悪いのが入っていると「バランス」を崩してしまいます。
電池の特性として、悪い方に性能が引っ張られるというのがありますので、良い物が悪いものに引っ張られることで、早期のエラー再発に繋がってしまいます。
また別の方法でも状態を見てみます。
上は、他社製リビルド品。
下が、弊社のリビルド品です。
これは劣化度をグラフ化したものなのですが、弊社のリビルド品が劣化度をそろえられているのに対し、
上の他社製のリビルド品は〇で囲んだ黄色の部分が飛び出してしまっていて、劣化度がそろっていません。
劣化度がそろっていないということはバラツキやすい状態であると言えますので、余計にバランスを崩してしまう状態だということです。
つまり、性能や劣化度を揃えているようで、あんまり揃っていないのが他社製のリビルド品の特徴なんですね。
とはいえ、他社もいろいろ企業努力をされて、出来るだけ高品質なものを作ろうとしているはずなのに、どうしてバラつきがあるのでしょうか?
それは、診断のやり方や精度の問題もあるかもしれませんが、ひとつの仮説として「輸送中の自己放電」があげられると思います。
電池の特徴として、自分でため込んだ電気を放出してしまう「自己放電」が起こってしまうことがあげられます。
特に、中古品の中からピックアップしてリビルドしているので、新品よりも多く電気を放出してしまいます。
自己放電でどれくらい放出してしまうのかは、その電池単体の性能や劣化度によって変わってきます。
例えば28本が直列でつながっているプリウスの場合、その1本ずつの性能や劣化度がきっちり揃わないと、時間の経過とともに自己放電によって充電されている量がバラバラになってしまいます。
つまり、平均的に2~3日の輸送時間+取付業者の方のスケジュールで2-3日のラグがあっても不思議ではないので、ベストな状態から1週間くらいは経過しているものと考えられます。
それをそのまま車載してしまうと、そこがスタート地点となってしまうので、バランスが崩れた状態でスタートして、さらにバランスを崩すという最悪のスタートを切ってしまいます。
このパターンが実はけっこう多いのではないかと考えています。
そして当店も、それが解決できていないのでネット上で販売したりせず、全国展開もしていないという現状があります。
そこで、弊社では出来るだけ自己放電を抑えながら輸送できないか、これから研究をスタートしていこうと思います!
これが成功できれば全国的に発送できるようになる可能性がありますので、どうぞご期待ください!